臨床研究部長挨拶
高崎総合医療センター 臨床研究部長 柿﨑 暁(かきざき さとる) |
2020年10月1日より、臨床研究部長に着任しました柿﨑です。
当院の臨床研究部は、2011年4月に発足しました。初代部長 高木 均先生(2011年4月~2014年3月)、第二代部長 鯉淵幸生先生(2014年4月~2020年9月)に続き、私で三代目になります。
当院の臨床研究部は三つの部署から成り立っています。一つは新しい薬を世に出すために行う治験を手助けする治験管理室、もう一つは、院内の各部署で最良の治療法を探るために行う臨床試験のお手伝いをする臨床研究室、三つ目は臨床研究部独自の研究を国内外へ発信するための付属研究室です。
まず治験管理室の紹介です。令和2年度に実施した企業主導治験は29件ありました。内訳は、大うつ病などの精神疾患、心不全などの循環器疾患、乳がん、胃がん,肝がんなどの悪性腫瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病などの消化器疾患など多岐にわたっています。
当院では一般薬、抗癌剤はもとより,麻薬製剤、グローバル試験も対応が可能です。CRC(臨床研究コーディネーター)は院内薬剤師1名、看護師2名の他に、SMO(治験施設支援機関)から派遣のCRCも常駐し実施体制は充実しています。有害事象出現時は夜間休日でも、被験者の安全性を第一に当該診療科以外の診療科とも連携した診療体制を組んでいます。また、治験からの逸脱がないように科学的で正確なデータの提供が出来るよう心掛けています。治験管理室では市販後調査の依頼も承っており、新規承認薬剤の効果・副作用検証のお手伝いを行っております。
次に臨床研究室の紹介です。当院の各診療科は、群馬県の拠点病院の一つとして高度な医療を提供する責務を担っています。それと同時に、次世代の最新の診療の開発、医療人育成のために、臨床試験・臨床研究を推進することも使命であります。これまで多くの病院独自の臨床研究が行われ、その成果は国内外の学会・論文などで発表され、日本の医療の発展に寄与してきました。現在も新型コロナウイルス感染症治療薬の特定臨床研究の推進にも関わっています。その他にも国立病院機構内の他院や群馬大学をはじめとする多くの大学との共同研究にも数多く参加しています。そのような病院内の各部署が行う臨床試験・臨床研究がスムーズに行えるようお手伝いするのが臨床研究室で、計画書作成やデータ入力補助などを行っています。
三つ目に付属研究室の紹介です。国立病院機構では、医療の質の向上を目指して、国立病院機構病院間のネットワークを活かし臨床現場に根ざした多施設共同研究や大規模臨床研究などを行うために、それぞれの病院が研究部門を有しています。当院の臨床研究部でも、消化器・肝臓病を中心に、オリジナリティの高い研究を国内外へ発信していきたいと考えています。
治験、臨床研究の推進のためには、CRCの対応力と専属事務員の事務処理能力が欠かせません。当院では、薬剤師、看護師、臨床検査技師の資格を持ったCRCと専属の事務職が常に10名以上常駐し業務を推進しています。
高崎総合医療センターの臨床研究部職員一同、治験・臨床研究を通じて最先端の医療に貢献できる事を誇りに思いながら仕事を推進していきます。皆様の御協力をよろしくお願い致します。