臨床検査科・病理診断科概要
臨床検査や病理診断は「病気の診断」、「治療方針の決定や治療効果の判定」に必須であることはよく知られています。最近では「病気のなりやすさ」を調べる検査も多数実施されるようになり、それらの項目数は健康保険収載分でも1,000を超えるとも言われます。臨床検査は患者さんを直接診察しない場合でも、検体を通して様々な病院の診療機能を支える重要なインフラであると考ます。
当院の臨床検査科は、新病棟完成後、病棟二階の南東部に配置されました。平成23年度より名称も研究検査科から臨床検査科に変更され、臨床検査部門・病理診断部門の二部門体制となりました。医師・技師も順次増員され、医師4名、臨床検査技師28名体制で運営しています。
検体検査システムはオーダリングシステム・電子カルテ化、さらに全自動採血管準備システムの導入により業務改善が図られされました。また平成23年の病院機能評価(Ver.6)受審を契機に各種マニュアルや組織体制の整備を行ない、東日本大震災後の電源供給障害の経験から非常電源の整備と無停電装置導入及び作業環境の改善を推し進めました。結果、日本医師会の臨床検査精度管において毎年良好な成績を取得しています。検体検査結果に対する臨床判断補助のコンサルトに応需し、パニック値の担当医への連絡も徹底しています。
最近は病理検体数や超音波などの生理検査件数の増加も顕著であり、臨床の需要に応じて業務体制の見直し・機器の増設・技師増員等により対応を図っています。必要な検査項目の新規導入や採算項目の院内検査化(あるいは特殊検査の外部委託)など効率よく的確な臨床検査業務を行ない、病院の健全な運営に関わっていく所存です。さらに各種研究会・学会への参加や発表を通じて研鑽し、より迅速で正確な検査を提供できるよう努力していきたいと思います。