核医学
放射性医薬品とは
放射性医薬品とは、放射性同位元素(RI以下RIと記す)を使用した医薬品です。検査内容により異なる放射性医薬品を使用し、投与されたRIが病気の部位に特異的に集まる(または集まらない)状態を描出し、診断に役立てます。
Symbia Intevo16の特徴
当院では2017年4月よりシーメンス社製SPECT/CTのSymbia Intevo16を導入。2つの検出器で放射線を計測し、画像を作成します。検出器を回転しながら撮影することでCTやMRIのような断層画像が得られます。この断層撮影のことをSPECTといいます。
当院の装置ではSPECT装置にCTが融合されており、診断精度が向上しました。 更に、xSPECTという技術が搭載され、従来と比較して高精細なSPECT画像の描出が可能となりました。
検査の流れ
1.前処置 食事制限等(必要ではない検査もあります)
2.放射性医薬品の投与
3.検査前処置 飲水、排尿など(必要ではない検査もあります)
4.着替え 金属、下着の金具、湿布、カイロ等をはずす
5.撮像
核医学検査を受けられる患者さんへ
●体内に投与された薬剤から放出される放射線はごく微量であり、時間とともに放射線量も減少し、尿や便などで体外に排出されますのでご安心ください。但し、胎児や乳幼児には影響を及ぼす場合がありますので妊娠の可能性のある方や授乳中の方は事前にスタッフに申し出てください。 ・検査時間は20~60分です。検査の種類により異なります。 ・検査中はできるだけ体を動かさないでください。 ・検査中は検査室スタッフと会話ができます。 ・検査中に異常を感じた場合には、 そのまま話しかけてください。
●検査内容によって実施可能な曜日が限られています。 ・放射性医薬品の都合により検査の変更、キャンセル等はできない場合があります。
主な核医学検査
核医学治療とは
核医学治療とは、RIを特定の病気の部位に集中させ、その周りだけに放射線の影響を及ぼして細胞を死滅させる治療方法です。
骨転移した去勢抵抗性前立腺がんに対する治療
塩化ラジウム223Ra注射液(ゾーフィゴ静注)は、骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌に対するアルファ線放出治療薬です。アルファ線を放出することにより、腫瘍細胞等に対して増殖抑制作用をもたらします。
ラジウムはカルシウムと同じように骨に取り込まれやすい性質があり、とくに骨転移など骨代謝の活発な部位に集積します。
4週間に1回、静脈注射で投与します。最大6回の注射を受けたら治療は終了です。
※十分な治療効果を得るためには、4週間感覚での注射を6回受けていただくことが必要です。注射日を決める際には担当医とよく相談し、ご自身が納得したうえでスケジュールを確定するようにしてください。
外来アブレーション治療(焼灼術、残存甲状腺破壊術)
甲状腺全摘術あるいは甲状腺準全摘術によって病巣をすべて取り除くことが出来たと判断された場合でも顕微鏡的にはわずか甲状腺が残ることがあります。その甲状腺が起因となり甲状腺癌が再発、または他の部位へ転移したりすることがあり、予防目的で少量の放射性ヨウ素を使用しわずかに残った甲状腺を消滅させることをアブレーションと言います。 放射性医薬品として放射性ヨウ素(131I)カプセルを使用します。 甲状腺癌は正常甲状腺と同様にヨウ素を取り込む性質があり、取り込まれた放射性ヨウ素から出る放射線により癌細胞の破壊を行います。より効果的に治療を行えるように、治療前2週間のヨード摂取制限が必要です。(昆布・ひじき等の海藻類、昆布加工品、昆布だし・風味調味料、ヨード強化卵の制限) 放射性ヨウ素カプセル内服してから3日後に画像を撮像します。