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2019(令和元)年度 活動の紹介

1. チーム構成

 

2. 診療体制

 当院は地域がん診療連携拠点病院の認定施設です。2012年6月より緩和ケアチームに専従医師が加わり、「緩和ケア診療加算」や「外来緩和ケア管理料」等の算定を開始しました。現在、日本緩和医療学会認定研修施設であり、院内外で活動をしています。

●院内病棟

 新規依頼患者は電子カルテを通して依頼を受け、カンファレンス後、可能な限り早急に対応しています。介入患者の回診は、専従医師、専従看護師を中心に基本的に毎日行っています。リンクナースは毎週月曜日に、専任医師は毎週火曜日に、心理療法士は週3回(火・水・金)一緒に回診しています。また、精神科専任医師といつでも相談できる体制をとっています。毎週月曜日に、チームに属する医師・薬剤師・心理療法士・ソーシャルワーカー・リンクナース等多職種でカンファレンスを行い、病棟患者や外来患者について報告しています。一方、毎月最初の月曜日にリンクナース会議とチーム全体の会議を行っています。クリニカル・パスとして、「がん性疼痛パス」「安らぎのパス(看取りのパス)」を作成し、運用しています。

●外来

 早期からの緩和ケアを目指し、2012年6月から現在に至るまで、毎週月・火・水・木・金曜日に、院内外からの紹介患者を対象に、一人1時間枠で緩和ケア外来を行っています。

●院外活動

 毎年、以下の内容について医療従事者を対象とした研修会を開催しています。また、群馬緩和医療研究会や日本緩和医療学会にも積極的に演題を投稿しています。

 

3. 診療実績

 依頼患者は121例(初回依頼患者は78.5%)で、月平均10例、一日の回診患者数は平均6例でした。今年度の依頼患者に対し、12診療科から依頼があり、呼吸器内科36例(30%)、消化器内科34例(28%)、外科13例(11%)、産婦人科12例(10%)のほか、総合診療科、泌尿器科、心臓血管内科、整形外科、呼吸器外科、乳腺・内分泌外科、脳神経外科、などからの依頼がありました。
 がん性疼痛以外の疼痛や非がん患者への依頼もありました。依頼理由は、身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛への対応とさまざまでした。2019年度中の転帰は、死亡退院35例(29%)、自宅退院45例(38%)、転院21例(18%)、在宅医療へ移行13例(11%)、中止5例(4%)で、平均介入日数は、死亡退院は20日、自宅退院・転院は19日でした。一方、外来の延べ患者数は124例で、月平均10例でした。

 

4. 臨床研究のテーマ

がん患者の院内自殺企図行動について
当院におけるがん分野の専門/認定看護師によるがん患者指導の実践と課題
乳腺外来におけるアドバンス・ケア・プランニングシート活用の現状と課題
看護カンファレンスにファシリテーションスキルを用いた効果

 

5. 研修教育方針

 医師に対し、「緩和ケア研修会」、「緩和ケアフォローアップ研修会」、「コミュニケーション技術研修会」を開催しています。また看護師に対し、「すべての看護師のための看取りのケア研修会」、「看護師のためのコミュニケーションスキルトレーニング研修会」を開催しています。そして、院内外の医療者に対し、地域がん診療連携拠点病院の講演会の一環として、倫理問題に関する事例検討会や講演会を企画し、運営しています。今後も、継続していきます。

 

6. 今後の展望

 外来の時期から表出する悩みやスピリチュアルな苦痛に対しては、短時間の診察による主治医一人での対応は困難なため、緩和ケアチームにより、傾聴し時間をかけて問題点を解決していくことが重要になります。そのため、院内で運営している「つらさの問診票」を活用し、早急に「つらさ」に対応できるシステム作りを必要としています。また、緩和ケアに関する院内研修にもさらに力を入れていきます。そして院外に対しては、引き続き開業医との連携を強めていきます。

疼痛緩和内科