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2020(令和2)年度 活動の紹介

1. 診療体制

●診療方針

 令和 2 年 12 月から、耳鼻科専門医 2 人での診療体制になりました。外来診察室を増設し、診療ユニットと電動椅子、電子ファイバースコープを搬入しました。コロナ禍の増員でした。医者は増えても、受診控えと(コロナ以外の)重症感染症の減少から、紹介患者数も入院患者数も、昨年より減りました。しかし、初診受け入れ枠が 2 倍になったため、FAX初診がすぐに予約できる改善点もありました。以前は、初診まで 1-2 ヶ月待ちでした。外来診療は、術後の処置、頭頚部腫瘍の診断など 1 人あたりに手間と時間のかかる症例が多く、2 人で 30 人も診ると夕方になってしまいます。完全予約制ですが、予約時間を守れずにお待たせすることが、悩みです。
 頭頚部腫瘍、投薬で治らない耳鼻の手術を多く手がけています。気管切開後のカニューレトラブル、睡眠時無呼吸、顔面神経麻痺にも力を入れています。昨年から東毛がんセンターでは、常勤耳鼻科医師の欠員のため、新規の癌患者を受け入れなくなりました。若年世代の頭頚部癌、進行した癌症例は、重粒子線や集学的治療のため、群馬大学に送っていますが、容易に抗癌剤や放射線で根治しうる症例や、高齢で群馬大学まで通えない症例は、積極的に当院で治療しています。コロナ受診控えの影響か、癌が進行してから紹介される症例が増えました。
 医療事故の多い耳や鼻の手術には、ナビゲーションシステムや神経刺激装置を必ず使い、術後合併症を防いでいます。患者を待たせず、安全に手術をし、最新の耳鼻科診療を提供する。この 3 点を診療方針に掲げています。

 

●医療設備

  高詳細 CCD 鼻咽腔喉頭ファイバー
  赤外線 CCD カメラ眼球運動解析
  鼻手術用ナビゲーションシステム
  ハイビジョン鼻内視鏡手術システム
  ハイビジョン耳顕微鏡
  多関節アーム式神経内視鏡
  顔面神経モニタリングシステム
  内視鏡先端洗浄システム
  副鼻腔手術用骨軟部組織シェーバーシステム
  頭頸部用超音波凝固切開装置
  経口的手術用拡張器

 

2. 診療実績

●症例数

 初診患者総数 734 名中、院内紹介が 446 名、院外紹介が288名でした。

症例数内訳

 

3. 臨床研究のテーマ

 末梢性顔面神経麻痺に対して、ステロイド、抗ウイルス剤、リハビリテーション併用で治療効果が上乗せされるか調べています。

 

4. 研修教育方針

 日本耳鼻咽喉科学会専門医かつ指導医でもありますが、研修する若手医師が不在です。病院の規模と所有資産、患者数からして良質な研修ができると思います。群馬大学に働きかけて、研修する若手医師の派遣をお願いしています。

 

5. 今後の展望

 コロナ以外の感染症が減りました。感染症が減った代わりに、好酸球性副鼻腔炎、頭頚部腫瘍が増えている印象です。高齢化社会に伴う感覚障害への対応も求められています。耳漏や鼻水を吸引していた耳鼻科診療の時代が終わりました。耳鼻科をやめて頭頸部外科へ変革している時期で、学会はインターネットを活用して守備範囲を広げています。新しい手術方法、治療法を取り入れてゆきます。

耳鼻咽喉科