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トップページ > 診療科 > 心臓血管外科 > 2020(令和2)年度 活動の紹介

2020(令和2)年度 活動の紹介

1. 診療体制

●診療方針

 当科は高崎・安中地区における心臓血管疾患の拠点として、おもに成人を対象とした心臓血管外科領域の診療を行っています。心臓疾患では心臓弁膜症、虚血性心疾患、成人先天性心疾患、心臓腫瘍、心膜疾患などで、血管疾患では胸部大動脈瘤、急性大動脈解離、腹部大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症、静脈疾患などが該当します。心臓や血管疾患では緊急で診断、治療が必要なことも多く、当センターでは心臓血管外科が心臓血管内科や救急科をはじめ院内の各診療科と連携して適切な治療を行うようにしています。夜間や休日の緊急手術にも対応しており、生命の危険が高い疾患も診療しています。また退院後はかかりつけ医を中心とした地域の先生方と連携し、患者さんに対して手術後に必要な治療や経過観察を継続できるようにしています。

2. 診療実績

●症例数・検査数・治療

 令和2年度に行った手術の内訳です。

 心臓手術は33例、大血管手術は59例、その他で合計92例でした。
 緊急手術には、急性大動脈解離に対する人工血管置換術や、腹部大動脈瘤破裂に対するステントグラフト内挿術、人工血管置換術、動脈血栓塞栓症に対する血栓除去術が含まれており、いずれも早急な診断、治療が必要な病態でした。
 その他に急性大動脈解離で当科に緊急入院となった患者さんのうち、27例でCT検査結果から手術を行わず、厳重な血圧管理で治療を行いました。

3. 臨床研究のテーマ

 類似した症例の蓄積、分析を行っているところです。1例ごとに治療内容を詳細に検討し、必要に応じて症例報告を学会や研究会で発表しています。

4. 研修教育方針

 当センターでは臨床研修制度で初期研修医を受け入れています。心臓血管外科は専門性の高い領域ですが、心臓血管外科を選択した研修医には、基本的な病態や治療方針を説明、確認しながらステップアップできるように指導しています。初期研修終了後も、外科専門医制度修練施設および心臓血管外科専門医認定機構認定修練施設として後期研修医の指導および育成に取り組んでいます。特に後期研修医が外科専攻医として心臓血管外科研修を希望した場合や外科専門医取得後に心臓血管外科専門医取得を希望した場合も、積極的に受け入れる方針です。研修を希望する医師にはできるだけ多くの手術に参加できるように配慮し、経験に応じて手技および周術期管理が向上するよう指導しています。

5. 今後の展望

1)安定した定期手術数の確保、緊急手術症例への迅速な対応を目標に、安全で良質な医療を提供し続けることが重要と考えます。
2)心拍動下冠動脈バイパス術や大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術を始めとした低侵襲な治療を積極的に行う方針です。
3)地域の先生方のニーズに応えて中核診療施設としての役割を果たし、また安全な治療、手術を進めてまいります。

心臓血管外科