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トップページ > 診療科 > 心臓血管内科(循環器) > 2024(令和6)年度 活動の紹介

2024(令和6)年度 活動の紹介

1. 診療体制

●診療方針
 心臓血管内科では、①虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞など)②不整脈 ③心不全(弁膜症・心筋症・先天性心疾患など)④血圧関連(高血圧・低血圧など)⑤動脈・静脈疾患(大動脈瘤・閉塞性動脈硬化症・静脈血栓症など)⑥睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群)などの疾患を対象とした診療を行っています。各分野それぞれにおいて専門性をもった医師が診療に当たっており、EBM(Evidence-based medicine)に基づいた治療を心がけています。
 虚血性心疾患の救急疾患(ACS)に対しては、365日24時間体制で緊急のカテーテル血管内治療(インターベンション術)に対応しています。また、救急隊から直接連絡の入るACSホットラインを用いて滞りのない救急体制を整備しています。インターベンションとしては、通常のバルーンやステント治療はもちろんのこと特殊なカテーテル治療(ロータブレーター, ダイヤモンドバック, IVL)も導入し、幅広い治療選択を実現しています。2023年には、PCIの総計1万例を達成致しました。
 不整脈分野においては、日本不整脈学会認定の不整脈専門医が2名在籍しており、群馬県西毛地域で唯一の不整脈専門研修施設として、臨床・教育を両輪として、地域医療に貢献したいと考えています。以下のような多岐にわたる不整脈診療を行っております。①心房細動、心室性不整脈などに対するカテーテルアブレーション ②徐脈性不整脈に対するペースメーカ移植 ③心室細動・心室頻拍などの致死性不整脈に対する植込み型除細動器(ICD)移植 ④慢性心不全の心臓再同期療法(両心室ペースメーカ)。カテーテルアブレーションにおいては、2025年2月から心房細動に対する最新の治療法であるパルスフィールドアブレーションを導入し、安全で確実な治療を実践しております。
 下肢閉塞性動脈硬化症の患者も増加しており、下肢動脈に対するカテーテル治療も充実させています。形成外科・内分泌内科・整形外科・リハビリ科・看護師・ソーシャルワーカーと共にフットケアカンファレンスを定期開催し、多職種チームで診療に取り組んでいます。
 また、血管造影以外の画像診断にも力を入れており、心臓超音波(経食道・経胸壁, 3Dエコー)、心臓CT、心臓MRI、核医学検査など多方面からのアプローチを用いて、低侵襲検査から的確な診断、治療を行えるように努力しています。新たな技術として心臓CT画像を用いて心筋虚血を評価するFFR-CTを県内でも先駆けて導入し、検査の侵襲や被曝量の低減にも取り組んでいます。
 心不全入院患者は、世界的に増加の一途をたどっており、心不全パンデミックと言われています。医師だけではなく看護師、理学療法士、作業療法士、栄養士、薬剤師、ソーシャルワーカー等の多職種での心不全チームを組み、診療にあたっています。上記のような専門・特殊治療以外にも高血圧や糖尿病などの危険因子をもつ患者を対象に心機能評価や生活指導を行い、無症状な隠れ心臓病を診断する目的に2022年7月より心不全予防外来を設置しました。さらに2024年からは心不全総合外来と名称変更し、より広く心不全診療を行える体制作りを行っています。

●医療設備
血管造影装置(冠動脈、末梢血管造影)/ 多列検出器型CT(心臓CT)/ FFR-CT / 心臓MRI / 心臓超音波(経胸壁、経食道、3Dエコー)/ 血管内超音波(IVUS)/ 光干渉断層法(OCT)/ 核医学検査装置(心臓RI)/ 心肺運動負荷検査装置 /運動負荷心エコー装置 / ホルター心電図検査機器 / 血圧脈波検査(ABI)装置 / 皮膚組織灌流圧(SPP)測定機器 / 大動脈内バルーンパンピング装置(IABP)/ 経皮的心肺補助装置(ECMO)/ 不整脈検査治療用プログラム刺激装置 / 一時的体外ペーシング装置付き除細動器

2. 診療実績

●症例数・検査数・治療(2024年)

冠動脈造影検査 617例
経皮的冠動脈インターベンション術(PCI) 452例
末梢血管インターベンション 67例
経皮的カテーテル心筋焼灼術(ABL) 196 例
ペースメーカー植え込み術(リードレス含む) 60例
植え込み型除細動器(皮下植え込み型含む) 11例
両室ペーシング機能付き植込み型除細動器 9例
経胸壁心エコー検査 8953例
経食道心エコー検査 243例
負荷心電図検査(エルゴメーター/マスターダブル) 53/14例
心肺運動負荷検査(CPX) 79例
心臓リハビリテーション 562例
ホルター心電図検査 673例
冠動脈CT検査 1134例
心臓MRI検査 181例
心臓核医学検査 243例

3. 臨床研究のテーマ

薬剤溶出性バルーンを用いたステントレス冠動脈治療
心不全クリニカルパスの効果
心不全入院患者への多職種心不全チーム介入の効果
病病連携パスを用いた心不全地域連携

4. 研修教育方針

 心電図・超音波読影など心臓血管内科医としての基礎知識から、先進的循環器疾患治療に至るまでを実際の症例を通じて学べるように心がけています。虚血性心疾患・不整脈・末梢動脈疾患のカテーテル治療、ペースメーカ等のデバイス治療等の手技、さらにCT/MRI/エコーの画像診断にも積極的に実践できる環境をつくっています。
 疾患チームと診療チームの2つのチーム編成としています。疾患チームは、「虚血」「不整脈」「末梢血管」「心不全」に分かれ、各チームにリーダーとコメディカルチームを配置し、科全体の疾患毎の方針の検討を行います。また、診療チームは、上級医・中級医・レジデント・(研修医)の3名1チームで日々の患者情報を共有・相談し、主治医不在時の対応もできるような体制作りをしています。レジデントや研修医の先生が、相談しやすい環境としています。

5. 今後の展望

 虚血性心疾患に対するカテーテル治療は増加傾向にあります。救急患者は増加しており、救急隊との連携強化を図っております。ここ数年は不整脈疾患のカテーテル治療のニーズが大幅に増加しており、新たな手技の導入も行っています。また、近年の心不全患者の増加に対し、心臓血管内科リハビリテーションや多職種で連携をして心不全チームを設けて診療に取り組んでいます。地域連携を活かした心不全予防の取り組みにも力を入れており、今後同分野での需要が益々増えることが予想されています。

心臓血管内科(循環器)