2020(令和2)年度 活動の紹介
2020年3月、別館の完成に伴い、地域中核病院としての機能の充実と、より質の高い安全な医療の提供を目指して、「患者サポートセンター」を開設している。患者サポートセンターは「地域医療支援・連携センター」と「入退院センター」、さらに「相談支援センター(がん相談支援センター)」を加えた3部門からなり、当院への紹介時から、入院前、入院中、さらに退院後の生活から日常の管理体制まで患者さんをサポートし、地域全体で安心して医療が受けられるようスタッフ全員で努めている。
1. 地域医療支援・連携センター
(1)紹介患者の予約等
地域医療連携を推進するために看護師および事務員を配置し、紹介患者の予約受付、診療情報提供書・御返事等の管理、画像ネットワークシステム等の画像管理、医療機器共同利用の管理等を実施した。
(2)地域関係機関との連携
2020年度は、新型コロナウィルス感染症の感染拡大のため、例年開催している登録医大会、地域連携症例検討会等の開催はできなかったが、高崎安中地域連携実務者会議等の一部はオンラインにて開催した(表1)。また、広報誌「こくたか連携だより」を月1回発行した。
2. 入退院センター
(1)入院前支援
予定入院患者に対し、入院前より退院を見据え、安心・安全な入院生活を過ごせるように支援するために、医師、看護師、MSW、事務に加えて、管理栄養士、理学療法士、薬剤師、歯科医師、歯科衛生士等の多職種の専門スタッフが連携し、入院前支援を実施した(表2)。
(2)退院支援
MSWと看護師が協働し、早期から支援介入できる体制をとり、患者・家族の主体的参加のもと、院内外の多職種と連携し、療養の場が変わっても必要な医療・看護が継続されるよう努めた(表3)。各病棟および外来に入退院支援リンクナースを配置し、事例検討、連携実績報告、長期入院患者の検証、入退院支援マニュアルや入退院支援パスの運用を検討する「入退院支援チーム会」を月1回開催した。
3. 相談支援センター(がん相談支援センター)
(1)福祉相談・看護相談
MSWは社会福祉の立場から心理社会的問題や経済的問題の解決援助等を行い、看護師は受診・受療に関する相談、心理社会的相談、セカンドオピニオン相談等を行った。がん相談支援センターのがん相談員として、がん相談支援センター相談員基礎研修を修了したMSWおよび看護師を配置している。例年では、がんサロン「ほっとさろん・たかさき」の企画・運営を行い、ピアサポーターに参加いただいているが、2020年度は、新型コロナウィルス感染症の感染拡大のため、がんサロンの開催はしなかった。
(2)相談窓口
別館1階患者サポートセンターに相談窓口を設置し、医療対話推進者養成研修を修了した事務助手やMSWを配置し、相談支援マニュアルに則り、相談対応、クレーム対応等を行った。