独立行政法人 国立病院機構 高崎総合医療センター

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平成29年度 当診療科の活動

1.診療体制

 

●診療方針

 平成24年4月に消化器病センターが設立され、消化器内科と消化器外科の連携を密にした専門性の高い治療を行っている。また、がん診療連携拠点病院として、消化器内科では食道がん、胃がん、大腸がん、肝がん、胆道がん、膵がんなど消化器系の幅広いがんが対象となる。がんの早期発見はもちろん、治療方針を決定するためには確実な病期判定が必要であり、内視鏡検査、超音波検査、血管造影、肝生検、消化管造影など様々な検査を日々行っている。さらにCTやMRIなど画像所見を参考に診断を行い、エビデンス、ガイドラインに基づいて治療方針を決定する。毎週定期的に開催される外科とのカンファレンス(消化器キャンサーボード)に症例を提示し、手術適応や治療方針について意見を交換し合う。また、肝がんに対するインターベンション治療やラジオ波治療、早期の食道がん、胃がんおよび大腸がんに対する内視鏡治療、症状緩和を目的とする姑息的内視鏡治療(悪性消化管狭窄に対するステント留置、EUS-BD等)なども積極的に行っている。

 当院は救急病院でもあるため、上下部消化管出血、急性肝炎、胆道感染症、急性膵炎、閉塞性黄疸、イレウスなど消化器系の急性疾患も受け入れている。夜間休日はオンコール体制により救急症例に24時間対処しており、いつでも緊急の検査および処置を行うことが可能である。

 その他にもcommon diseaseから難治性疾患に至るまで様々な消化器疾患に対処しており、上記のがん診療、救急診療を含めて地域医療連携を通して地域の中核病院としての役割を果たすことを目標としている。また、若手消化器内科医の育成や研修医の指導に力を注ぎ、学会や研究会への参加、主題発表、症例報告、論文作成等に積極的に取り組んでいる。

 

●医療設備

内視鏡室:3室

TV室:2室

内視鏡システム:

 OLYMPUS EVIS LUCERA 3台、OLYMPUS EVIS LUCERA ELITE 2台

上部内視鏡:

 GIF-H290Z 1本、GIF-H290 1本、GIF-H260Z 1本、GIF-H260 2本、GIF-Q260J 1本、GIF-Q260 2本、GIF-XP260N 2本、計10本

下部内視鏡:

 PCF-H290ZI 2本、CF-H260AZI 1本、CF-H260AI 1本、PCF-Q260AZI 2本、PCF-Q260AI 1本、CF-Q260AI 1本、CF-Q240AI 1本、計9本

側視鏡:JF-260V 2本、計2本

(N経鼻、Hハイビジョン、Z拡大、Jウォータージェット、A硬度可変、P細径)

超音波内視鏡装置EUME1、高周波手術装置VIO300D(ERBE社製)、動画記録用装置

高周波手術装置Erbotom ICC200(ERBE社製)、

アルゴンガス供給装置APC300型(ERBE社製)

内視鏡用炭酸ガス送気装置OLYMPUS UCR 3台、

内視鏡用送水ポンプOLYMPUS OFP 1台、OFP2 1台

カプセル内視鏡:Given imaging社Pill CamSB3カプセル内視鏡

外来診察室:東芝超音波診断システムXario XG

病棟処置室:東芝超音波診断システムAplio 500

血管造影室:Phillips XperCT-DSA装置

 

2. 診療実績

●症例数・検査数・治療

H29-syokaki2

 

3. 臨床研究のテーマ

 

≪臨床研究≫

○急性胆嚢炎に対する経皮経肝的胆嚢穿刺吸引術(PTGBA)の有用性に関する検討

○FGFR2融合遺伝子陽性胆道癌の臨床病理学的、分子生物学的特徴を明らかにするための前向き観察研究

○B型慢性肝炎に対する核酸アナログ製剤投与におけるペグインターフェロンアルファ-2a(商品名ペガシス)48週Add-on療法の治療効果と安全性に関する臨床研究

○群馬県における急性肝障害の発生状況調査と診断、治療法に関する研究

○B型慢性肝炎に対する核酸アナログ耐性遺伝子の解析および耐性例に対するrescuetherapyの介入

○B型慢性肝炎に対する核酸アナログ耐性遺伝子の解析および耐性例に対するrescuetherapyの介入

○付随研究 核酸アナログ耐性例に対するテノホビル治療の有効性と安全性について

○C型慢性肝炎に対する経口2剤(ダクルインザ®・スンベプラ®)療法 の効果に関する研究

○C型肝炎ウイルス駆除後の肝炎症線維化改善動態評価を目的とした、血清miRNAプロファイリング法の確立

○Cold Biopsyの安全性と有用性に関する検討

○生体試料バンクを利用した自己免疫性肝炎の分子疫学コホート研究

○非ステロイド性抗炎症剤継続投与患者における胃十二指腸潰瘍再発抑制効果に対するエソメプラゾール、ランソプラゾールのランダム化比較試験

○膵癌・乳癌・卵巣癌・前立腺癌いずれかの家族歴を有する、または、乳癌・卵巣癌・前立腺癌いずれかの既往歴を有する、遠隔転移を伴う膵癌を対象としたゲムシタビン/オキサリプラチン療法(GEMOX療法)の多施設共同第II相試験

○B型慢性肝炎に対するテノホビル(テノゼットⓇ)のHBs抗原量に対する効果に関する研究

○C型慢性肝炎遺伝子型2型に対する経口剤(ソホスブビル+リバビリン)療法の効果に関する研究

○透析患者におけるC型肝炎の実態と治療適応及び治療導入の検討

○C型慢性肝炎遺伝子型1型に対する経口剤(12週間服用製剤)療法の効果に関する研究

○(FABRIC study)附随研究家族歴を有する膵癌患者における生殖細胞変異に関する研究

○HCV特異的抗ウイルス剤(DAAs)を用いたC型肝炎の治療効果に関する検討

○抗A型肝炎ウイルスIgM抗体陽性国内血清パネルの整備

○Share wave elastographyを用いた肝内結節性病変の評価法の開発

○日本インターベンショナルラジオロジー学会(以下IVR学会)における、症例登録データベース事業

○多血性肝腫瘍に対する中心循環系血管内塞栓促進用補綴材を使用した肝動脈化学塞栓術の安全性および有効性を検討する前向き観察研究

○転移性肝癌に対するラジオ波焼療法の安全性および有効性を検討する前向き観察研究

○職域におけるウイルス性肝炎患者に対する望ましい配慮及び地域を包括した就労支援の在り方に関する研究

○75才以上の膵癌患者に対するゲムシタビン塩酸塩+S-1併用(GS)療法とゲムシタビン塩酸塩(Gem)単独療法との無作為化比較試験

○C型肝炎ウイルス駆除後の肝発癌予測に関する研究

○C型慢性肝炎・肝硬変における経口ウイルス治療不成功例における宿主側因子の解析(多施設共同)

○原発性胆汁性胆管炎の発症と重症化機構解明のための多施設共同研究

○慢性肝疾患患者におけるかゆみの状況調査

○実地臨床における肝細胞癌に対する重粒子治療と外科切除の比較

○群馬県内のソラフェニブによる進行肝細胞癌患者の治療成績および副作用についての多施設共同研究

○急性出血性直腸潰瘍に対する内視鏡的止血法別に見た止血率の評価

○C型肝炎ジェノタイプ1型のDAA製剤に対する治療成績の検討

○大腸憩室出血の標準的な診断・治療の確立を目指した無作為化比較試験

○肝硬変患者の予後を含めた実態を把握するための研究

○大腸憩室出血に対する造影CTの有用性の検討

○抗凝固薬服用者における内視鏡治療偶発症の後方視的検討

○当院でソマトスタチン受容体シンチグラフィを施行した神経内分泌腫瘍4例について

○薬剤性間質性肺疾患の発症に関連するバイオマーカーの探索研究

○抗A型・E型肝炎ウイルス抗体陽性国内血清パネルの整備

○単純性肝嚢胞におけるエタノール・モノエタノールアミンオレイン酸塩・ミノマイシンの適応外使用による治療

○切除不能進行再発胆道癌に対するCDDP+GEM療法の予後と骨格筋量の検討

○肝硬変および担癌患者における高感度エンドトキシン測定の有用性についての研究

○消化器がんの病理組織検体を用いた遺伝子変異の解析

○日本人自己免疫性肝炎に関する分子疫学研究

○慢性肝炎および肝硬変患者における握力の検討

○肝細胞癌紹介症例およびIFNレジメンでSVRを得た症例におけるSVR後発がんの検討

○肝疾患患者における血中キサンチン酸化還元酵素と様々な臨床パラメーターの網羅的解析

 

≪治験≫

○ギリアド・サイエンシズ株式会社の依頼による非アルコール性肝炎(NASH)に対するSelonseribの第3相試験

○ギリアド・サイエンシズ株式会社の依頼による代謝性肝硬変を有する非アルコール性肝炎(NASH)に対するSelonseribの第3相試験

○ONO-4538 第Ⅱ/Ⅲ相試験 胃がんに対する多施設共同無作為化試験

○C型慢性肝炎患者(ジェノタイプ2型)を対象としたABT-493/ABT-530投与の有効性及び安全性を評価するための無作為化、非盲検、実薬対照、多施設共同試験

○ギリアド・サイエンシズ株式会社の依頼によるクローン病患者を対象としたFilgotinibの第Ⅲ相試験

○ギリアド・サイエンシズ株式会社の依頼によるクローン病患者を対象としたFilgotinibの継続投与試験

○ギリアド・サイエンシズ株式会社の依頼による潰瘍性大腸炎患者を対象としたFilgotinibの第Ⅱ/Ⅲ相試験

○ギリアド・サイエンシズ株式会社の依頼による潰瘍性大腸炎患者を対象としたFilgotinibの継続投与試験

○中等症の日本人活動期潰瘍性大腸炎患者を対象としたE6007の臨床第2相、プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験

○がん患者を対象としたHFT-290の第Ⅲ相試験

○日本イーライリリー株式会社の依頼による潰瘍性大腸炎患者を対象としたLY3074828の第Ⅱ相試験

○潰瘍性大腸炎の治療における、MLN0002(300mg)の第3相試験

○既存治療に対して効果不十分又は不耐容であるが生物学的製剤での治療失敗歴のない、中等度から重症の活動性クローン病患者を対象としたupadacitinib(ABT-494)の有効性及び安全性を評価する多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照導入療法試験

○生物学的製剤に対して効果不十分又は不耐容である中等症から重症の活動性クローン病患者を対象としたupadacitinib(ABT-494)の有効性及び安全性を評価する多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照導入療法試験

○M14-431試験又はM14-433試験を完了したクローン病患者を対象としたupadacitinib(ABT-494)の有効性及び安全性を評価する多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照維持療法及び長期継続試験

 

※その他、臨床研究部のテーマとして、肝発癌制御、門脈圧亢進症、胆膵系がんの集学的治療、消化管出血、内視鏡治療を掲げている。

 

4. 研修教育方針

 週間スケジュールに沿って研修医は医長、部長と一緒に入院患者の主治医となり、実際に検査・治療にあたる。内視鏡、腹部超音波、血管造影、定期的なカンファレンス(入院症例カンファレンス、消化器キャンサーボード、内視鏡カンファレンス)、抄読会などがスケジュールに盛り込まれている。

 

5. 今後の展望

 群馬県西部地域の消化器病の中核病院としての期待に応えるべく、日常診療のみならず、地域と共同の臨床研究も推進させていきたい。

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